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「卒業式」式辞 3月22日(金)

式辞
~(略)~

卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとう。今、一人一人に手渡した卒業証書、どうぞ開いてみてください。この六年間、小学校で頑張った証明書、つまり「証(あかし)」です。ど真ん中に大きく書かれているのは、たった一つの文です。「小学校の全課程を修了したことを証する」と書かれていますね。一日一日の積み重ねです。よく頑張りましたね。それぞれの努力の賜物です。小学校で学ぶべき事柄を川南小学校の全教職員がこの六年間、手分けして全力で教え、育ててきました、その全てが修了した、ということです。では、証書を閉じてください。これから巣立つ皆さんに伝えたいお話を続けます。
この2月に数人ずつでしたが、校長室で給食を食べたのを覚えていますか。短い時間ではありましたが、あのおしゃべりは、私にとっても楽しい時間でした。あのとき、一人一人にこれからのことについてお話ししてもらいましたね。進学する中学校でやってみたいことや頑張りたいことを話してくれた人もいたし、将来なりたい自分や職業について教えてくれた人もいました。これからの自分について語る皆さんの姿は本当に素敵でしたよ。こんな素晴らしいこどもたちが最高学年である川南小学校の校長でいられてよかったなぁ、と思いました。皆さんとの出会いに感謝します。それぞれの夢や願いが、叶うといいなぁ、と私は思っています。

ところで、口という字の右横にプラス、その下にマイナスと書くと「吐く」という字になります。捨てセリフを吐く、とか、弱音を吐く、など、嫌なものが口から出るイメージの「吐く」という漢字です、マイナスな言葉やネガティブな言葉、人を傷つける言葉や人を不愉快にさせる言葉などが口から出すぎるとマイナスの連鎖に繋がっていきます。マイナス言葉を控えて、ポジティブで前向きな言葉や人を幸せにする言葉を使うと、口の横にプラスの文字が残ります。「叶う」という文字です。願いが叶う、夢が叶うの「叶う」です。ぜひ、それぞれの自分らしい夢の実現に向けて、失敗を恐れずに歩みを進めていってくださいね。
うまくいくときもあればうまくいかないときもいろいろあると思います。だから、もし、願いが叶わなかったり夢に破れたりしたときは、立ち上がる強さがあればいいと思っています。そういう生きる力をつけていけばいいのだと思います。その生きる力の基礎は、この川南小学校にいる間にずいぶんついたのではないでしょうか。

皆さんが卒業するにあたり、私が伝えたいのはこれからも「頭」をよく使って生きていってくださいということです。全校朝会でも、よく「脳みそ」を使いなさいというメッセージを伝えたつもりですが、この一年間、いえ、この小学校生活の六年間、どれだけ自分の脳を使いましたか? この川南小学校でしっかり鍛えられましたか? 脳の一部だけではいけませんよ。いろいろな部分を豊かに使うのですよ。まだまだですか? これからの人生の方が長いけれど、鍛え甲斐があるのは若いうちですよ。「心を育てる」とよく言いますが、「心」は「脳」にあります。「心」を、つまり「脳みそ」をこれからもたくさん使ってください。勉強をするにも、生活するにも、「思いやり」とか、「豊かな心」とかいうものも、また、バスケットボールやサッカー、ダンスなど、体を動かして運動するのも、全部「脳」の働きです。自分のためにも、人のためにも、そしてこれからは、世の中といわれる社会のためにも「脳」を、「心」を使っていってください。
そして、脳を使っているかどうかは、頭の中を「どれどれ」とのぞくことはできません。周りの人からは「態度」で判断されます。「態度」という漢字は「心の能力の度合い」と書くと教えましたよ。もちろん、心を使いすぎて疲れたときには、しっかり休めてくださいね。
さて、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。この六年間は、感染症拡大防止のための臨時休校や学級閉鎖など、これまでにはないご心配やそれに伴うご苦労も多々あったことと察します。それぞれのご家庭の深い愛情と教えの元、このように優しく頼もしく成長したこどもたちを私たち教職員一同、誇りに思っています。これまで、本校の教育推進のためにご理解ご協力を賜り、ありがとうございました。
さあ、卒業生の皆さん、「卒業」は「ゴール」ではありません。未来への「スタート」です。今日お話した、プラスの言葉を使ってそれぞれの夢や願いを「叶え」ていってください。自分を取り巻くたくさんの人に感謝しながら、ゆっくりじっくり、歩みを進めてくださいね。昨日より今日、今日より明日、自分を信じて自分らしく歩んでいってください。未来を担う皆さん一人一人の歩む先に、幸多いことを願い、私の式辞といたします。

令和六年三月二十二日
江東区立 川南小学校長 大塚 寿江

公開日:2024年03月25日 00:00:00